今日も読んで下さってありがとう。
後少しお付き合いくださいね。
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私が転院を決めたその耳鼻科は、家から歩いて4分ほどの非常に便利な所にあった。
確かに混んではいたが、先生は気さくで実によく話を聞いてくれ、幾つかの検査をした後「メニエール病」の疑いとの診断を下された。

そして弱い精神安定剤が「メニエール病」には効く事が多いと言って、めまい止めの薬とともに安定剤が処方された。
そしてこれから先は、投薬と注射などで様子を見て行きましょうと言うことになった。

前に通った耳鼻科で受けた治療について尋ねると、
「中耳炎ならともかく、めまいにそういう処置をする事は、私には理解できません」と話した。

あのまま治療を続けていなくてほんとに良かった、今もそう思う。

とりあえず病名が判ったという事で、これで治療の方法も見つかると、私は安堵した。

「メニエール病」
この病気は原因がはっきりしない病気だという事は知っていた。

私は結婚する前「内科の受付」という職業についており、この病気が治るまでに時間がかかるということ、有効な治療法が確立していない事は承知していたから、正直なところ
「厄介な病気に掛かっちゃったなぁ・・・」と言う気分ではあったが、先生の説明では「3年後の治癒率は90%以上」と言う事だったので、なってしまったものは仕方がない、とにかく前向きに治して行こうと言う気分になった。

そして治療を受けて一週間ほどすると、嘘のように「めまい」はなくなった。
たった一週間で、私は長い間の苦しみから解放されたのである。

「なぜめまいが治まったのか?」
その理由は精神安定剤にあったように思う。
後から考えればではあるが・・・。

でも「メニエール病」と信じていた私には、めまいが治った事がただただ嬉しく、「この先生に任せていれば治る!」そう思っていたのである。

当たり前の事だがめまいは程なく復活した。
それでも投薬と注射でしばらくすれば治まり、治まっている間は普通に生活する事が出来た。
つかの間ではあるが、その間は家族3人で旅行などもすることができた。

しかし段々にその安定期も少しずつ短くなり、まためまいに悩まされる日々は増えていった。

先生は実に熱心に治療を試みてくださったと思う。
色んな薬や新しい治療法を勉強してきては私に試して、何とか私を健康な体にしようと努力して下さった。

でもどんな治療法でも薬でも、私のめまいは治まる事無くひどくなる一方で、またその頃から私はひどい下痢に見舞われることが多くなっていた。

「過敏性腸症候群」後で判った病名である。

さすがに先生も私の病気に疑問を持ち始め、ある日先生はこうきり出された。

「あらゆる耳鼻科的処置をしても貴方のめまいには何の効果もない様に思う。
一度心療内科に行ってみないか?」と。

「心療内科?」
初めて聞く言葉、一体どんな病院なのか?

不安を抱えつつも先生から紹介状を持たされ、心療内科の門をくぐったのは、耳鼻科での治療を1年3ヶ月受けた後だった。

「メニエール病」と言うのが誤診だったとは言え、私はその耳鼻科の先生には感謝している。
「心の病気」と言うことに気付いてくれたから・・・。

2000年3月の事。

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やっと心の病気まで辿り着きました。
本当の苦しみはここから始まりますが・・・。

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