オデカケ星人

2001年11月13日
今日は私の誕生日〜、あーかちゃんになって生まれた日ぃ〜。
お父様や、お母様も、祝ってくださる、うれし、うれし♪

幼稚園のお誕生会の歌。

昨日は私の40回目の誕生日。

祝ってくださるはずのお母様は早くに鬼籍に入り、お父様は(親父は)遠く離れたグループホームに居り、痴呆が進んだ今では私の誕生日なぞおそらく覚えてはいないだろう。

そんな両親に代わり、旦那様と娘に誕生日を祝ってもらった。

5歳の娘は大きな声で「HAPPY BIRTHDAY」の歌を歌ってくれ、旦那様には美味しい食事とお酒を堪能させて貰った。

ささやかだけれど、これが幸せ。

Fさんにもお祝いを頂いた。
午後に心斎橋まで2人で出かけたのだが(もちろんお約束の着物姿)、私が「銀装のカステラは美味しい」と言うと、その場ですぐに「買ってあげる!」と走っていかれた。
ありがたやありがたや・・・。

幾つになってもプレゼントをもらうのは嬉しい。
たとえ折り紙一つでも心がこもっていればそれは宝物。

だからと言って旦那さんからのプレゼントが折り紙だったら、それは拗ねちゃうんだけどね。(笑)

旦那さんは今度の土曜日お休みだったら、一緒に着物を見に行こうと言ってくれている。
それがお誕生日プレゼント。

食事をする店まで3人手をつなぎながら歩いている間に、娘が面白い事を言い出した。

「お父さんはビールが好きだからビールの星からきた、ビール星人!」

ほほぉ、娘にも旦那さんがビールをこよなく愛している事は判るのね、などと思いながら笑っていると、
「じゃぁお母さんは?」と旦那さんが娘に尋ねた。

娘はこの問いに
「お出かけ星人!」と即答した。

我が子から発せられた思わぬこの言葉に一転、私は深く傷ついた。

娘は私をそんな風に見ていたのだろうか?
もしかしたら旦那もそんな風に・・・。
考え始めれば思考は悪い方へ悪い方へと転がっていく。

たかが5歳の子供の言う事である、気にする方がおかしいのかも知れない。
娘にしても他意はなかっただろう。

けれども何度もこの言葉を口に出すたび、私の心の傷がどんどん深くなっていくのが解かるのだ。

私自身鬱病という病気を抱えながら40の誕生日を迎えるなどとは思ってもいなかった。
家族にしても「いくら厄介な病気と言ってもその頃には治っているだろう」と思っていたに違いない。

しかし今もって私はバリバリ現役の鬱病患者だ。

この病気は薬さえ飲んでいれば良くなるという病気ではないし、神仏にすがってみてご利益があったという話も聞いた事がない。
自分で楽しみを見つけ、自分でその時その時の心の状態に合わせて細かなコントロールをして鬱と言う深―い穴に落ちないように気を付けるしかない。

例えば鬱がひどい時、家で休んでいた方が良い時もあれば、外に出たほうがかえって良い結果を生み出す時もある。
自分でも時々判断を誤り、ドツボにはまるときも多々あり、コントロールはかなり難しい。

医者任せにしていて、ひどい目にあった事もある。

軽躁状態が続いている事を憂慮した医者が、気分を鎮める薬を処方してくれたのでそのまま何の疑問も持たずに薬を飲んだら、翌日から激鬱に陥った。

以来自分自身の経験と勘でしかコントロールは出来ないのだと心に刻み付けた。

「家事が出来ないときは諦めて旦那にゆだねる。」
「気分の良い時は無理のない範囲でしたいことをする。」
「病気に逆らわず、共存する形でこれから先の人生を生きていく。」

文字に書いてみれば簡単そうに思えるが、病気とは言え専業主婦である自分が「他者に家事を委ねる」と言う罪悪感を払拭できるまでには一年半という時間が掛かった位、その他の色んな事にも自分の中で長い長い葛藤があった。

私が外出するのにもそれなりの理由はあったのだ。

着物は心を和ませてくれる物であり、時にぽっきり折れそうな心の鎧の役目をもしてくれている。
外出する事で孤独感から解放される事もある。
Fさんとの外出にしても、同じ病気を持つ者同士だからこそ、そこのところを解かって私の我が儘なお誘いにも付き合ってくださっていると思う。


寝たきりだった私が一つ一つ積み木を積み上げるように、「出来ない事」を「出来る事」に変えてきた努力、それをすべて否定されたように娘の発した「お出かけ星人」と言う言葉は私の心に響いたのだ。

40歳にしてここから先をどう生きていけば良いのか解からなくなっている。

後戻りするのは嫌だ。
でも歩き出す先が見えない。

今日は心のコントロールも利かない・・・。

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