銘仙

2002年2月22日
という着物をご存知だろうか?

戦前戦後にお嬢様の日常着、庶民の晴れ着として当たり前に着られていた着物らしい。

友人のFさんはご自分で「銘仙フェチ」と公言して憚らないほど、この銘仙にはまってらっしゃる。

私は・・・と言えば、一応何枚かは持ってはいるがそれほどこだわってはいない。
アンティーク物も面白いが、それを着こなせるセンスがないのが悲しい所だ。

現代の着物の面白さ、アンティークの面白さ、人それぞれ好みはあろうが、私が着物を選ぶ基準として
銘仙かどうかにかかわらず、気に入った色柄か、着る機会は多そうか、のほうがまず第一なもんで。

あと、価格も・・・。これ大事!

それでも昨日は「たまには良いかなー」と、本当は売り飛ばすつもりでいた銘仙を引っ張り出して、京都の弘法さんに着て行った。

ここは古着の宝庫である。
だからちょっとアンティークともいえる銘仙(紫の矢絣もよう)を選んだのだ。

これに長羽織、半巾帯、別珍の足袋、下駄。
ちょっとアンティーク風?にコーディネート。

ところが行ってみて気が付いたのだが、このいでたち、かなり人目を引くらしい。

まず古着屋のおっちゃんに「面白い着方しとんなぁ」と声を掛けられ、
知らないおばちゃんに「あれ銘仙やんか」「今時あんなん着る人もおんやなー」と陰口を叩かれ、
古着屋のお客さんに「これが銘仙かいな、触らせて」と触られまくられ、
古布屋のおっちゃんにも触られ、
終いには「大正ロマンやなー、でもその着物には草履でないと」と下駄にけちをつけられ・・・・、
いやはや、驚きやした。

これにいつも耐えてるFさんってすごいかも・・・。

お陰で買物どころではなく、色んな人に声を掛けられまくり着物談議に花が咲いた。

「これから着付けを習うんですが、どんな着物がいいか見てくれませんか?」と、明らかなる人選ミスと思われる相談も持ちかけられた。

着物を着ている人間だからって、貴方、それは無謀というものですわ。

この方には「私よりきっと着物にお詳しいであろう、側にいたきっと世話好きのおばちゃん」をご紹介しておいた。

きっと薀蓄をたっぷりたれて無難路線の着物を選んで下さったことだろう。

私に出来るのは、その方の裄を計って「これ位の裄丈があるものを選ばれては?」とアドバイスする事くらいだ。

着物が好きだからといって、残念ながら私には人様に何かをお教えできるほどの知識も、またセンスも持ち合わせてはいない。

控えめに言って、「今その勉強中です」というところだろう。

だからって誰もその道の一目置かれる人間になってから着物を着るわけじゃーない。

着ている内にそれがきっかけで人様に教えてもらえる事もあるだろうし、着物好きの仲間が出来ればその仲間同士で学ぶ事もあるだろう。

今私に出来るのは「着物が好きで着ていますよ」とアピールする事くらい。
そっから始まる事が楽しみなのだ。

下手でも着てみる。
自分がどう着れば気持ちいいか。

そこから勉強は始まる。


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